北村さんちの遺跡めぐり
更新日2019/6/28

近江の見学・2019
その3 湖南市・東近江市1
2019/2/24・25・26

近江八幡市に住む孫のピアノの発表会に合わせて、滋賀県湖東の古墳めぐり。
冬の時期だが、晴天に恵まれていい写真が撮れた。その3です。

湖南市から東近江市の古墳見学です。

地図g

正福寺塚山古墳
湖南市正福寺
 (撮影日2019/2/25)

正福寺はお寺の名前だが、地名でもある。
国指定重要文化財「十一面観音立像」の説明板がある。

 正福寺は(浄土宗)は、天平5年(733)良弁を開基とし、聖武天皇の勅願所で、大乗山正福寺と号した。
 かつては、七堂伽藍、僧房18、公衆12を備えていたが、元亀の兵火にあいすべて焼失した。
 当時は、今の地より300mほど東方に位置し、現在塚山古墳があるあたりの高地一面が寺域だった。
 塔中の永厳寺は、阿弥陀如来を本尊に祀り、
  常福寺には、弥勒菩薩を本尊としていたが享保年間に廃寺になった。
 また、寛仁3年(1019)、塔中の一つとして清寿寺が創建されたが、
  昭和22年(1947)永厳寺とともに当寺に吸収合併され、諸仏は観音堂内に祀られている。
 十一面観音立像は4体あり、観音堂に安置されている。
 観音菩薩像は4体とも檜材の一木造りで、中尊は像高215cm、
  他の3体は各々像高約175cm、いずれも平安時代の作である。

正福寺山門
塚山古墳は、山門の手前を右に行く。

正福寺本堂

観音堂
「仏像の拝観は予約制です」と書かれている。

国指定重要文化財「十一面観音立像」説明板


トイレのそばの案内標識


 正福寺塚山古墳
 径30m・高さ4.5mの円墳
 葺き石なし 埴輪なし
 北側に幅3mの空堀がある。
 南に開口する横穴式石室は、全長10.95m
  玄室長さ5.45m・幅2.42m・高さ2.72mで天井石3石
  羨道部5.5m・幅1.51m・高さ1.21mの片袖式

塚山古墳 石室図
(正福寺・湖南市観光協会の
   墳丘前の案内板から)

県内最大級の石室である。
 周りには計13基の古墳が確認されている。

塚山古墳 墳丘

標高140mにある。

南に開口する石室
羨道部が破壊されている。

玄門上の石が抜かれている

石室内部

石室内部から外を見る

 立派な石室だ!

塚越古墳
湖南市朝国
 (撮影日2019/2/25)

正福寺から南東に約2kmの農地の中にある。
道路を曲げて保存していて、立派な説明板があるが、読めない…。
説明板があるから、市指定史跡なのかもしれない…。

 塚越古墳は、円墳
 横穴式石室がある。
 詳細不明

塚越古墳

道路を曲げてまで保存されている。

石がいくつか露出している。

読めなくなっている説明板

せっかく保存されているのに残念だ。

宮の森古墳
湖南市石部東
 (撮影日2019/2/25)

宮の森古墳は吉姫公園に保存されている。 公園の南西側に駐車スペースがある。
前方後円墳だが、後円部しか残っていない。
説明板は一応ある。

 宮の森古墳は 復元全長100mの前方後円墳
 現在は後円部だけ残っている。
 後円部直径55m・高さ10m
 周濠の有無は明らかではない。
 明治29年(1896)ごろに鉄製刀・剣などが出土、粘土槨であったと推定されている。
 1958年に調査、鉄刀片、鉄槍、鉄剣、鉄鏃、鉄釘などが出土
  墳頂には円筒埴輪が円形にめぐっている
  他に家形埴輪 草摺形埴輪、朝顔形埴輪などが出土
 5世紀の築造と推定されている。
 舌状に張り出した丘陵の先端に盛り土をしてつくられている。

宮の森古墳墳丘測量図
(石部南小学校HPから引用)
後円部も北側が削られている。

北東から見る

南東から見る

墳頂部

どっち側に前方部があったのだろう?

山面古墳群(猪子山古墳群)
市指定史跡
東近江市猪子町
 (撮影日2019/2/26)

旧能登川町、能登川病院の南の山の斜面に古墳がある。
東近江市のリーフレットでは「山面古墳群」として紹介されているが、
 現地説明板では、「猪子山古墳群(山面古墳群)」となっている。

東近江市の地図g 

 東近江市の北東に位置する、湖東平野に特徴的な独立山塊のひとつである「きぬがさ山」には、
  6世紀後半につくられたと考えられる古墳が180基以上確認されている。
 「きぬがさ」という字は「糸」へんに「散」という字だ。

きぬがさ山の古墳群 配置図
分布状況から複数のグループに分けられている。

1 山面古墳群 8 小谷古墳群
2 西山古墳群 9 正瑞寺古墳群
3 能登川北山古墳群 10 五個荘北山古墳群
4 望湖古墳群 11 山ノ下古墳群
5 安楽寺古墳群 12 佐野山古墳群
6 須田古墳群 13 善勝寺裏山遺跡
7 五個荘内田古墳

 山面古墳群
 現在の猪子山公園から北向岩屋十一面観音周辺の33基からなる古墳群を、山面古墳群と呼んでいる。
 それぞれの古墳は直径20mくらいの円墳で、横穴式石室がある。
 きぬがさ山は湖東流紋岩という岩石でできた山で、この湖東流紋岩が石室石材として使われている。
 山面古墳群の周辺には、岩船神社や磐座、山頂には北向岩屋十一面観音などがあり、
  古くから信仰の対象としても大切にされてきた場所でもある。
 山面古墳群配置図

は市指定史跡の範囲
(リーフレット「東近江市の遺跡シリーズ16」から)

14号墳の周辺 拡大図
(14号墳前の説明板から)
14号墳の北側には14基の円墳がある。


山面古墳群上り口
「上山天満天神社」の鳥居

鳥居そばに駐車場スペースがある。

猪子山公園の東隣り
登り始めると、すぐ道沿いに23号墳がある。
23号墳の前に、「猪子山23号墳」の説明板がある。

 猪子山23号墳(山面古墳群)
 径14mの円墳
 東に開口する横穴式石室がある。群中では最大の玄室。

石室実測図 (説明板から)

石室全長9m
玄室の長さ4.4m・幅2m・高さ2.3m
 羨道の長さ4.6m・幅1.4mの左片袖式
床面には石が敷き詰められている。
左袖石を兼ねた羨道の左側壁は自然石に近い巨石だ。

明治41・42年猪子山古墳群出土遺物
  (説明板から)

昭和3年に発行された「近江神崎郡志稿」には、
 明治41・42年に23号墳から
 「祝部土器提瓶1、蓋附坏2、高坏破片2、
  金環1、鉄錆の断片数ケを発掘し保存されてある。」
 と記載されている。

墳丘

羨道は半壊

石室内部

石室内部から外を見る

23号墳の南側に岩船神社がある。

 岩船と岩船神社
 神亀5年(728)5月朔日、高島比良の山から湖上をこの地に渡った比良大神(白髭明神)が
  御来船されたものと伝えられている。
 横の社は、岩船社と称し渡湖の際、岩船を先導した津速霊大神が祀られている。
 古代の住民は、奇石、怪石に対する崇拝が盛んで、
  この岩船も頂上の磐座と共に巨石崇拝信仰の遺品と考えられている。 (説明板から)

神様が乗ってきたといわれる岩船

岩船神社

 山道を進むと、三叉路の山側に15号墳。
 説明板はない。

 猪子山15号墳
 東向きに開口している横穴式石室は全長8m
  玄室は長さ4.8m・幅1.6m・高さ2m以上、羨道は長さ2.5m・幅1m・高さ1.7mの両袖式

手前の道路で墳丘が削られている

左側の斜面に石室が開口している。

石室開口部

羨道から玄室を見る

玄室奥壁は、一部破壊されている。

石室内部から外を見る

15号墳から東へ緩やかな上り道を約100m、道沿いに14号墳。
14号墳前には、説明板がある。

 猪子山14号墳
 径16~17m・高さ8.5mの円墳
 西に開口する横穴式石室がある。
 盗掘されていたので、遺物の出土は少なく、
  玄室内から金環1点と棺に使用されたと考えられる鉄製品(釘・鎹)数点、
  羨道の中央から須恵器の壷1点が出土した。
 6世紀後半の築造と推定されている。

石室実測図
 (説明板から)

玄室長さ3.4m・幅2.8m・高さ2.6m
 羨道長さ5.5m・幅1.4m・高さ1.6mの両袖式
羨道の入り口部分には閉塞石が残っていた。

平成14・15年に発掘調査

墳丘と石室開口部

石室内部

奥壁

石室内部から外を見る

14号墳の北から、麓の墓地までの急斜面に14基の古墳がある。
調査が行われたころは、木も切られて見学しやすかったのだろうが、現在はジャングル!
ジャングルをかき分けて斜面を下り、何基か見つける。

 猪子山30号墳
 径14mの円墳
 西向きに開口する横穴式石室は、全長10.5m、
 玄室は長さ3.2m・幅2.4m・高さ2.8m  羨道は長さ7.3m・幅1.5m・高さ1.8mの両袖式
 6世紀末の築造と推定されている。
 2003年度に調査。

石室入口 高さがある。

羨道部から玄室を見る

玄室奥壁

玄室から外を見る

   

 猪子山52号墳
 径13mの円墳
 横穴式石室は、東向きに開口している。

52号墳石室実測図 (リーフレットから)
石室全長7.5m
玄室:長さ3.5m・幅1.8m・高さ2.2m
羨道:長さ4m・幅1.2~1.3m・高さ1.2m

床面には敷石がある。
 石室床面の石の隙間から、
  金環、メノウ製勾玉、碧玉製管玉、ガラス製管玉、ガラス製小玉、メノウ製丸玉が出土
 ガラス玉は中国大陸、朝鮮半島を経由して輸入された貴重なもの
 6世紀後半の築造と推定されている。

発掘時の石室床面の状況 (リーフレットから)

出土した装身具 (リーフレットから)

茂みの中に石室入口が隠れている

羨道部から玄室を見る

玄室奥壁

玄室から外を見る

   

 猪子山36号墳
 墳丘が完存している。
 詳細不明

墳丘 ジャングルだ…。

石材露出

14号墳から、斜面を下りながら、ジャングルの中の古墳を見学し、ふもとの墓地におりる。
今度は車に乗って、北向岩屋十一面観音の駐車場まで上る。
その少し手前の道路脇に7号墳がある。

 猪子山7号墳
 横穴式石室がある。   詳細不明

石室辺りの墳丘が残っている。

石材露出

石室内部

すき間からカメラを突っ込んで撮影

立派な横穴式石室に、感動です!


北向岩屋十一面観音 上り口


 

正瑞寺古墳群 東近江市五個荘日吉
(撮影日2019/2/26)

以前、いつだったか探しに来たが、見つからなかった古墳。見つかりました!

きぬがさ山の古墳群の一つで、山面古墳群が北の麓、この正瑞寺は、山を越えた南東の麓にある。
お寺の写真を写すの忘れたのだが、本堂は新しい建物だ。
古墳群は、本堂の裏の擁壁の上の斜面にある。
この裏山は、山崩れか土石流でもあったのか、倒木やら土石などで、歩くのも大変!
ようやく3基の古墳を見つけた。
説明板は見あたらない。

 正瑞寺古墳群1号墳
 径18mの円墳
 滋賀県最大といわれる横穴式石室は全長13.4m
 玄室長4.7m・幅2.6m・高さ2.5m以上、羨道長8.4m・幅1.4m・高さ1.3m以上の両袖式
 玄室天井石は二石で、手前の石材は長さ4.5m。

墳丘

一番墳丘らしく見える1枚
写真中央あたりが落ち込んでいて
開口部がある。

手前の石が傾いているが、石室は完存!

石室内部

奥壁 天井石は巨大

石室内部から外を見る

1号墳より下の崖っぷちに開口しているのは2号墳。

 正瑞寺古墳群2号墳

墳丘 向こう側の斜面に開口部

天井石が見えている

開口部

カメラを突っ込んで撮影

1号墳・2号墳より上に3号墳がある。
開口しているが、入るのは困難!

 正瑞寺古墳群3号墳

墳丘

石室の天井石が露出している。

石室内部 カメラを突っ込んで撮影

奥壁が見えた!

やっと見学できて、ほっとした…

勝堂古墳公園につづく

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